半月板損傷
受傷機転・症状
半月板は膝関節の太ももの骨(大腿骨)と脛の骨(脛骨)の間にあるCの型をした軟骨で、クッションの役割と関節を安定させる役割があります。
受傷の原因はスポーツなどで膝を捻った際に損傷する場合と、加齢により痛んできた半月板に軽微な外力がかかることで損傷する場合があります。症状は膝の曲げ伸ばしの際の疼痛や膝の引っ掛かり、ひどい場合は歩行が困難になったり膝の曲げ伸ばしが出来ない(ロッキング)状態になります。
診断
上記の様な症状の他、大腿骨と脛骨の間(関節裂隙)を押した際に痛みがあったり、膝を捻った時に痛む場合は半月板損傷を疑います。半月板はレントゲンには写らないので、疑ったらMRIにて診断します。
治療
損傷の程度にもよりますが、保存治療で症状が改善しないものや損傷が激しい場合は手術が必要になります。
スポーツでの損傷で軟骨の異常などない場合は、関節鏡を用いて膝の内側と外側の皮膚を1cm程度切開し、なるべく損傷した半月板を縫合し修復します。縫合が難しい場合は切除となります。また、加齢に伴う損傷の場合は、半月板損傷だけでなく下肢のアライメント異常(O脚やX脚)やそれに伴う関節軟骨の損傷を合併していることが多く、関節鏡による半月板の処置のみではなくアライメントを矯正する骨切り術(脛骨近位骨切り術、大腿骨遠位骨切り術など)が必要となることもあります。
関節鏡を用いた半月板縫合術の場合は、手術後3週間は体重がかけられず、手術後4週目より部分荷重(自分の体重の3分の1程度から)を開始し、手術後6週目より全荷重歩行(体重を全部かけた歩行)を開始します。入院は3週間程度です。骨切り術の場合は、手術後1週間は体重をかけられず、手術後2週目から部分荷重(自分の体重の2分の1程度から)を開始し、手術後3週目より全荷重歩行(体重を全部かけた歩行)を開始します。入院は3〜4週間程度です。どちらもスポーツ復帰は手術後3ヶ月以降となります。