変形性股関節症
臼蓋形成不全などが原因になり関節が変形する疾患です。痛みや筋力の低下をきたし、徐々に歩行困難となっていきます。長期に変形を放置すると、腰痛や膝痛を併発してしまうことがあります。関節の変形が強い場合は人工股関節手術をお勧めします。
臼蓋形成不全
股関節は寛骨臼(骨盤側)に大腿骨頭(大腿骨側)がはまり込む球関節です。大腿骨頭に対して寛骨臼の作りが小さい状態を臼蓋形成不全といいます。体重がかかる範囲が少なく、集中することなどから、痛みや筋力の低下をきたし、最終的には関節が変形する変形性股関節症に進行します。日本人における変形性股関節症の原因の約8割が臼蓋形成不全によるものといわれています。まだ関節の変形がないか軽度の場合は寛骨臼回転骨切り術の一つである Curved Periacetabular Osteotomy (CPO)をお勧めします。
大腿骨頭壊死症
大腿骨頭への血流が何らかの原因で途絶えてしまい、組織が死んでしまう疾患です。アルコール多飲やステロイドを大量に投与したことがあるなどが原因になりえますが、原因のはっきりしない場合もあります。変形が強くなると変形性股関節症へと進行します。壊死範囲が少ない場合などは骨切り術、変形の強い場合は人工股関節手術をお勧めします。